80代の父に運転をやめてほしい。でも私は子どもの頃から父が苦手だった。②

父と娘

心不全、視野狭窄、それでも運転を続ける父と向き合う

前回、私は子どもの頃から父との距離を保ってきたことを書きました。

しかし父の健康状態が変化する中で、私は避け続けることができなくなりました。

父は脳梗塞の後遺症を抱えている

父は脳梗塞を経験しています。

幸い命は助かりましたが、視野狭窄という後遺症が残りました。

もともと父の運転は決して安心できるものではありませんでした。

若い頃から小さな事故を繰り返しており、家族は心配していました。

そこへ視野狭窄が加わったのです。

私の不安は年々大きくなっていきました。

今年5月、父は心不全で入院した

そんな父が今年5月に心不全で入院しました。

ペースメーター手術は無事成功しました。

ところが父は、

「ペースメーターの手術したから治った」

と思っていました。

しかし実際にはそうではありません。

7月の検査では心不全の指標であるBNPが1000超で基準値を大幅に超えていました。

そのため医師からは追加の心臓手術(左心耳閉鎖術?)を勧められ、9月に手術を予定しています。

心不全は治ったわけではありません。

父は病気を十分理解していなかった

父は耳がかなり遠くなっています。

医師の説明も十分に聞き取れていませんでした。

ペースメーターの手術で入院した時から、追加手術の必要性の説明を父は何度も受けていました。

しかし、父は全くそのことを把握していませんでした。

更に問題はそれだけではありません。

父は昔から、自分に都合よく物事を解釈するところがあります。

その結果として、

「手術したから大丈夫」

という認識になっていたのだと思います。

病状の深刻さが伝わっていないことに私は危機感を覚えました。

健康状態を客観的に見られなくなっている

今回、父と話をしていて気づいたことがあります。

父は自分の健康状態を客観的に認識することが難しくなっているように感じたのです。

例えばお酒です。

私は今年の8月の帰省中、

「心臓のためにもお酒は控えた方がいいよ」

と伝えました。

すると父は、

「週に1回、1合飲むくらいだ」

と言いました。

ところが母に聞くと、実際にはほぼ毎日3合以上飲んでいるとのことでした。

また塩分についても同様でした。

受診時に医師から塩分を控えるよう言われた際、父は

「薄味にしているから問題ありません」

と答えたそうです。

しかし実際の食事では、お浸しにも揚げ物にも大量のしょうゆをかけています。

父は嘘をついているというより、本気でそう思っているように見えました。

そのことが私にはとても怖く感じられました。

お盆に資料を作って説明した

そこで私はお盆の帰省に合わせて資料を作りました。

検査結果。

心不全について。

今後の治療について。

そして運転のリスクについて。

できるだけ分かりやすく説明し、後で目で確認できるよう紙資料を残しました。

説明は、自分一人では負担が大きかったため、兄にも同席してもらいました。

兄からも、運転リスクについて説明しました。

父は「運転は気を付けているから、大丈夫だ」とやめる気配は一切ありませんでした。

それでも病気に関しては、

「心不全は治ったわけではない」

ということだけは、少し理解してくれたように感じました。

父の目標は免許更新だった

父はここ数年、

「目がかすむ」

と話していました。

9月には心臓手術。

そして10月には白内障手術を予定しています。

私は当初、見えづらさを改善するための手術だと思っていました。

しかし話を聞いているうちに、本当の目的が見えてきました。

父の目標は12月の運転免許更新だったのです。

本当は更新してほしくない

正直に言えば、私は免許を更新してほしくありません。

脳梗塞の後遺症があります。

心不全もあります。

自分の健康状態を客観的に把握できているとも言い切れません。

だから不安なのです。

それでも私は、その場で

「免許更新はやめて」

とは言えませんでした。

父が激しく反発することが分かっていたからです。

何十年も父を見てきた私は、その反応を容易に想像できました。

父は変わっていない。でも私は変わりたい

父は今も運転を続けています。

12月の免許更新も諦めていません。

私は今でも更新してほしくないと思っています。

それでも、一つだけ変わりたいことがあります。

それは私自身です。

私は長い間、父との問題から距離を置いてきました。

けれど今回、恐る恐る向き合いました。

父を変えることは簡単ではありません。

まして80年以上かけて築いてきた価値観ならなおさらです。

9月には心臓の手術が予定されています。

私は手術後にもう一度帰省し、父の様子を見るつもりです。

病状はどうなっているのか。

運転に対する考え方は変わっているのか。

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