白内障手術を前にして。それでも父は運転を続けていた
父の二度目のペースメーカー手術が終わってしばらく経ちました。
正直に言うと、手術を受けたからといって父が変わるとはあまり思っていませんでした。
案の定、父は近場の運転を続けていました。
私から
「今は運転しないで」
と伝えても大きな効果はありません。
これは母からの情報ですが、父は母の目を盗んでは車で出かけています。
もはや驚きはありません。
またか、という気持ちの方が近いかもしれません。
唯一防げている長距離運転
それでも一つだけ防げていることがあります。
父にはここ数年続けている習慣があります。
週に一度、車で約1時間かかる場所へ出かける用事です。
みんなが最も心配していたのはその運転でした。
もちろん、近場の運転も心配ですが、さすがに片道1時間となるとリスクが違います。
そこで家族で話し合い、
「その用事だけはタクシーを利用してもらおう」
ということになりました。
タクシー代は決して安くありません。
それでも母も兄弟も、
「そこは惜しむところではない」
という考えでした。
事故を起こしてしまうことを考えれば安いものです。
母の頑張りで何とか防げている
ただ、現実は理想通りにはいきません。
父が自主的にタクシーを選んでいるわけではないのです。
実際には母が気付いて動いているから何とか防げています。
父が出かけようとする。
母がそれに気付く。
急いでタクシーを手配する。
父は不機嫌になる。
時には怒鳴られる。
それでも母が時間を稼ぎ、タクシーが到着する。
そんな状況です。
母が見つけられなければ、きっと自分で運転して行ってしまうと思います。
本当に頭が下がります。
白内障手術の説明を受けに病院へ
そんな父ですが、今度は白内障手術を控えています。
手術前の説明を受けるため病院へ行ったそうです。
病院での説明は問題なく受けていたとのこと。
そこは少し安心しました。
もっとも、父は昔から外ではそれなりに振る舞う人です。
ましてや手術を控えています。
医療者の前でわざわざ問題を起こすような人ではありません。
ちゃんと説明を聞いていたようです。
思わぬ形で母に追い風が吹いた
その説明の中で医師から、
インフルエンザなどの感染症にかかると手術が延期になる可能性がある
という話があったそうです。
それを聞いた母は、
「これはいいことを聞いた」
と思ったのでしょう。
帰宅後、
「手術まで外出は控えた方がいいよ」
「風邪をひいたら手術が受けられなくなるよ」
と父に話したそうです。
父もその時は、
「そうだな」
というような反応だったようです。
少なくとも、その場ではまんざらでもないように見えたそうです。
でも結局は変わらない
正直なところ、その話を聞いた時に私は少しだけ期待しました。
医師からの説明もあったし、
もしかすると手術までは大人しくしてくれるかもしれない。
そう思ったのです。
でも結局、近場の運転は続いています。
遠出はタクシー。
近場は自分で運転。
そんな状況です。
おそらく父の中では、
「ちょっとそこまで」
なのでしょう。
危険なことをしているという感覚はないのだと思います。
最近は期待しなくなった
以前の私は、
もう少し説明すれば。
病状を理解すれば。
体調の変化を感じれば。
運転をやめる方向に考えてくれるかもしれない。
そんな期待をしていました。
でも最近はあまりそう思わなくなりました。
父は父なりに考えているのでしょう。
その結果として、
「自分はまだ運転できる」
という結論にたどり着いているのだと思います。
それを私が変えられるとは、正直あまり思えなくなっています。
今願っていること
だからといって諦めたわけではありません。
父に運転をやめてほしい。
もちろん今でもそう思っています。
でもそれ以上に、
事故を起こさないでほしい。
誰かを巻き込まないでほしい。
父が80年以上かけて作ってきた考え方を変えることは、私にはできないのかもしれません。
それでも今日も、事故なく帰ってきてほしいと思っています。
そんなことを考えながら、私は母からの電話を待っています。
いよいよ白内障手術の日が近づいてきました。
父は「見えるようになったら眼鏡を作り直す」と楽しみにしています。
しかし私は、手術が終わった後に父がさらに自信を深めてしまうのではないかという不安を抱えています。

コメント